1H-MRS実験
・私たちの研究室で行うMRS実験は、生理学研究所・共同利用研究を利用しています。MRS(磁気共鳴分光法)は、磁場を利用して生体内の組織(例えば、脳、肝臓、筋肉)の代謝物質の検出することで、種々の疾患や診断に用いられてきました1)。国内のみならず世界中の臨床現場でMRS計測が行われています。MR装置によるMRI*/MRSは、画像/代謝診断の中でも安全性の高い方法として知られています2)。
・MRSの実験は、7テスラMR装置(Siemens)を用います。国内では6台が稼働しており、極めて高分解能を持つ7テスラMRSを用いていることで、これまで検出が困難であった代謝物質も私たちの実験で、明らかになりつつあります。
・多くの先行研究では外科的侵襲を伴う手技(筋組織を採取し電子顕微鏡で検出)で代謝物質が計測されてきました。代謝物質の変化はたいへん繊細ですから、この方法では、運動中の計測ができないこと、運動と計測の間に一定の時間を必要とし、繰り返し計測は難しいなどの問題があり、単一代謝物質の経時的追跡は困難でした。しかし、MR装置を用いた計測によりこの問題が改善されます。
*MRI (Magnetic Resonance Imaging)磁気共鳴映像法
<安全性に関する資料>
・安全性情報・ガイドライン、日本磁気共鳴医学会
<参考資料>
1) 成瀬昭二(監修)、梅田雅宏・原田雅史・田中忠蔵(編著)、磁気共鳴スペクトルの医学応用ー
MRSの基礎から臨床までー、インナービジョン2012年
2) MRI安全性の考え方(第3版)、日本磁気共鳴医学会安全性評価委員会2021年
実験にご参加いただけない方について
下記にお示しした項目に該当する方はご参加頂けません。安全に実験を実施するため、ご協力のほどお願い致します。
- 事前アンケートで参加条件を満たさない 参考 ☞ 参加者登録・事前アンケート
- 未成年
- 最近、病気や怪我をされ、体調に不安がある
- 妊娠中、あるいは妊娠の疑いがある
- 生体内に金属製のものがある (例:心臓ペースメーカー、クリップ、人工関節、骨折部のプレートなど)
- 閉所恐怖症・暗所恐怖症
- 精神・神経疾患の診断を受けている
- アートメーク、いれずみがある
事前にご相談ください
- 歯列矯正を装着されている方、歯に被せ物や詰め物がある
- 既往歴として大きな手術をしたことがある
実験参加の留意事項
MRS実験は、磁性体の持ち込みは禁止です。安全に実験を実施するため、下記の留意事項を厳守して頂きます。
- 実験はこちらで準備した検査技に着替えて頂きます
- 実験前に、金属製品(磁性体)は全て外して頂きます (例:マニキュア、カイロ、ピアス、ヒートテックや金属製のアンダーウエア)
*実験前にコンタクトを外す方は保存液をご持参ください。
得られたデータの取り扱い
得られたデータは、共同研究者と議論し科学的な根拠をもとに結論を導き出します。結果、結論は学会発表や論文で公表し、社会へ発信してまいります。また、公的資金による研究データの管理・利活用が促進されております。私たちの研究室では、DMP(データマネジメントプラン)に従って、研究データの保存・管理、公開・共有、利活用を行ってまいります。データは個人情報が特定されないよう匿名化され、公表・利活用します。なお、データの共有については、インフォームドコンセント(説明と同意)に基づいて進めてまいります。同意の撤回については、いつでも不利益を被ることなく申し出ることができます。しかし、すでに学会や論文で公表されている場合は、同意の撤回に応じることができない場合がございますのでご了承ください。
倫理的配慮
本研究は、インフォームドコンセント(説明と同意)を実施します。本研究内容をご理解頂いた上、ご参加頂きます。